AGAは完治しない?原因や治療法を解説
「生え際や頭頂部の髪が少し薄くなってきた…」このように薄毛に悩む日本人男性は少なくありません。
男性にとって髪のボリュームが減ったり、頭皮が透けて見えたりすることは、周りからの視線が気になり自信もなくなってしまいますよね。
日本人が悩む多くの薄毛の原因はAGA(男性型脱毛症)であり、遺伝やホルモンの乱れによって発症されます。
AGAは治療によって改善されることはありますが、完治できるのか疑問に思う方も多くいらっしゃると思います。
そのためこの記事ではAGAの原因や治療法、薄毛の改善について詳しく解説していきます。
AGAになる原因は?
AGAは毛髪サイクルが乱れることによって弱く細い髪の毛になり、十分に成長しきる前に抜けてしまう病気です。
毛髪サイクルが乱れる原因は人によって異なるため、まずは自分の薄毛の原因を知る必要があります。これから毛髪サイクルが乱れる原因を紹介していきます。
男性ホルモンの変化
AGAの発症にはテストステロンと呼ばれる男性ホルモンが大きくかかわっています。
テストステロンが毛乳頭にある5aリダクターゼという還元酵素と結びつくことで、DHT(ジヒドロテストステロン)という強い男性ホルモンに変化します。
DHTは毛乳頭細胞に存在する男性ホルモン受容体(レセプター)と結合することで、脱毛を促す脱毛因子を作り出してしまいます。
そのせいでヘアサイクルが乱され十分に成長していない髪の毛は抜け落ちて、細く弱い髪が増えてしまい薄毛になります。
遺伝
AGAの主な原因は男性ホルモンの乱れによる影響ですが、そのホルモンの生まれつきの分泌量や感受性は遺伝子によって決まり、感受性が強いほどAGAが発症する可能性は高まります。
親からの遺伝で5aリダクターゼの量が多い方は、抜け毛や薄毛になりやすい傾向があります。
食生活
塩分・糖分・脂分をとりすぎると薄毛の原因になります。
これらの成分を多く取ると血行が悪くなったり、代謝が悪くなったり、髪の毛に栄養が届きづらくなったりしてしまい、頭皮の状態が悪くなります。
髪の成長を促進する食べ物として大豆製品や海藻類を多めにとるようにしましょう。
生活習慣
運動不足や睡眠不足のような生活習慣の乱れも原因の1つ。
睡眠のゴールデンタイムと呼ばれる22時~2時には睡眠状態にあることが望ましく、睡眠不足が続く状態では栄養が髪の毛まで行き届きません。
運動不足は血行不良の原因になり、ヘアサイクルが乱れてしまいます。
AGAは薄毛の進行が2パターンがある
AGAによる薄毛は頭頂部から薄くなる場合(O型)と、おでこの生え際あたりから薄くなる場合(M型)の2パターンに分かれます。
中にはO型とM型混合のパターンもあり、この場合は両方から薄毛が進行してくるため通常より進行が速い傾向にあるので、症状が出始めたらすぐに治療を受ける必要があります。
薄毛の進行スピードは人それぞれ個人差があるので、なかなか気づかないこともあるかもしれませんが、少しでも違和感を覚えたらすぐにでも診断してもらいましょう。
後ほど詳しく説明しますが、薄毛の治療は早ければ早いほど効果を見込めるからです。
AGA治療は完治するのが難しい
AGAの治療は治すというより、治療を続けることで脱毛の進行を抑えて発毛効果を促すものなので、完全に元の状態に戻すことは難しいとされています。
完治はしなくとも、継続して治療を行うことで改善することは可能ですが、途中で治療を辞めると症状は再び進行してしまうことがあります。
そのためAGAの治療である投薬治療や治療経過を観察することは定期的に継続しなければいけません。
AGAの治療は継続することが大事
現代の医療では薄毛の最善の治療方法は治療をし続けることと言われています。
AGAに有効な治療薬を継続して使用し、髪の根元から太く強くすることが最も効果的な改善方法。
治療を開始して3ヶ月~6ヶ月ほどで効果が表れることが大半なので、その間は生活習慣を整えるなど薄毛の対策をしつつ、治療を受け続けることで症状の改善が見られます。
治療を続けることで「休止状態にある毛包を活性化させて発毛効果を促す」ことと「今ある髪の毛が抜けないように保つ」効果を得られます。
治療を行うことで頭髪を増やしつつAGAの進行を遅らせることができるため、早ければ早いほど効果的なのです。
また1年たっても症状が改善されない場合は、医師との相談次第で自毛植毛の治療に変更することもあります。
AGAの治療方法
AGAの治療は人によっても治療法が異なり、主に発毛を促す「ミノキシジル」と抜け毛を抑制する「プロペシア」の投薬になります。
これから治療薬の具体的な効果について説明していきます。
プロペシア
抜け毛抑制効果がある飲み薬のプロペシアは、主成分である「フィナステリド」が薄毛の原因になる5aリダクターゼの働きを抑制し、AGAの進行を遅らせます。
日本では市販されていいないため医療機関で処方してもらうことにより入手可能です。
また個人輸入代行業者を利用して安価で入手することも可能ですが、安全性などは全て自己責任となるためおすすめできません。
治療効果が高いプロペシアですが、まれに副作用として性欲減退や肝機能障害などを引き起こすこともあるので医師と相談してから服用してください。
ミノキシジル
発毛を促すミノキシジルは、血行促進効果があり頭皮に直接塗ることで髪の成長を促します。
継続して使用することで効果を得られますが、副作用として頭皮のかゆみや発疹が起こることがあります。また血圧に異常があると使用できない場合があるので、安全に使用するためには必ず医師の指示に従いましょう。
これまで紹介したプロペシアとミノキシジルは効果が異なるため、併用して使用することも可能です。医師の診断により併用することが可能ならば、薄毛対策に高い効果を得られるので両方使用することも検討してみてください。
AGAの治療ができる病院
AGA治療ができる病院はいくつかありますが、それぞれに特徴があるので1つずつ見ていきましょう。
ちなみにAGA治療は保険適用外なので費用はクリニックによっても異なります。
皮膚科
一般的な皮膚科でもAGA治療を行っているところもあります。AGAの治療は月に1回ほど定期的に通う必要があるため、お近くの皮膚科でAGA治療を行っている場合はそこで治療を受けられれば楽ですよね。
一方、AGAを専門に扱っているわけではないので治療の選択肢が少なかったり、AGAに関する知識が浅いため自分に合う最適な治療を受けられない場合もあります。
美容クリニック
美容クリニックでもAGA治療を受けられます。
クリニックによってはAGA専門クリニックと同等の治療実績や知識を備えています。
美容クリニックは女性のおきゃくさま継続的に通うことが可能であるなら選択肢の1つとして候補に入れておきましょう。
AGA専門クリニック
専門クリニックは治療実績も多く知識も豊富なので、様々な選択肢の中から自分に合った治療法を試せます。
プライバシーの保護も優れていて、待合室から完全個室になっていたり、お客様同士がすれ違わないように配慮してくれたりするクリニックもあります。
診断を受ける前に無料カウンセリングを行ってくれるクリニックもあるので、その時に予算や治療法など気になることを全て聞いておきましょう。
薄毛症状を隠すことも対策の1つ
薄毛治療は症状が出始めてから治療までに時間がかかってしまうと、どうしても効果が出にくくなってしまいます。
また治療中であっても効果が出るまでに数か月ほどはかかるので、それまでの間に何らかの薄毛対策をすることも良いでしょう。
ヘアスタイルを変更したり、ヘアアイテムを使ったりすることも効果的です。
ここからは薄毛を目立たなくする様々な方法を紹介していきます。
薄毛の目立ちにくい髪形に変える
薄毛を目立ちにくくするために髪を伸ばして隠そうとする人もいると思いますが、かえって逆効果になることがあります。
前髪や横髪は長いのに頭頂部だけ髪が全くないと「あの人ハゲが目立つな」と感じてしまいますよね。
薄毛やハゲを目立ちにくくするには、坊主や短髪にしてトップを立たせるとボリュームがあるように見えます。
ウィッグを使用する
ウィッグやかつらを取り付けることで薄毛が目立つ部分を隠すことができます。今や女性の中にはウィッグをファッションの1つとして取り入れています。
ファッションの1つのような感覚で男性もウィッグやかつらをつけてみるのもいいでしょう。
増毛パウダーを使用する
増毛パウダーは黒い粉を振りかけることによって、髪の1本1本に繊維が絡みついて髪全体がボリュームアップします。振りかけるタイプやスプレー式があり、製品によっては雨や汗でも流れ落ちないものもあります。
まとめ
髪は年をとることで、段々とボリュームが減っていくため完治することはできません。高齢になってくるとどんな人でも多少は髪が細くなったり、量が減ったりするものです。
しかし完治はしませんが、AGA治療を受けることで症状の進行を遅くすることは可能です。また治療も早ければ早いほど効果的なので、気になる方はすぐにクリニックにて診断してもらうことをおすすめします。
AGAは治療法も対策も様々なので、できることから始めてみてくださいね。