AGAの薬が効かない場合の原因や対処法は?
AGAの治療を受けても治療の効果が出ない方は一定数いらっしゃいます。
長期の治療になることがほとんどなので、治療の途中で「本当に治るのかな?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
半年以上治療しても効果が出ない方は、何が原因で効果が出ないのかも分からないし、他にどんな治療法があるのかもわからないですよね。
そこでこの記事ではAGAの治療を受けても効果が出ないケースや、効果が出ない時の他の対処法を紹介していきます。
そもそもAGA治療を受けても完治することは難しい
AGA治療は脱毛の進行を遅らせながら発毛を促すことが目的なので、完治するわけではありません。
しかし早期に適切なAGA治療を受ければ、脱毛の症状を改善しふさふさの時の状態まで戻すことは可能です。
そのため「抜け毛や薄毛は少なくなってきたけど、元の状態に戻らないから治療の効果がなかった」というのは大きな間違いです。しっかりと脱毛の進行を止めることができていれば、それはしっかりとAGA治療の効果を得られています。
そもそもAGAの症状は薄毛なので健康面に全く害はありません。治療費も高額になるので気にならない方はそのままにしておいても大丈夫です。
AGA治療薬の効果が出ないケース
AGA治療は主に2種類の薬を使用することによって症状を抑えられます。
- 薄毛の原因である脱毛因子を抑制して抜け毛を抑える(プロペシア)
- 血管を拡張させることで血行が促進し髪の成長を促す(ミノキシジル)
簡単に言うと抜け毛を抑えるのがプロペシアで髪の成長をサポートしてくれるのがミノキシジル。
例えば抜け毛がひどい患者がミノキシジルを服用してもそれほど効果は感じにくいですが、自分の症状に合っているプロペシアを服用することで治療の効果を実感できることがあります。
他にもAGA治療の効果が出ない原因がいくつかあるので紹介していきます。
投薬してからの期間が短い
治療にかかる効果は人によっても異なりますが、大体薬を服用してから3ヶ月~6ヶ月くらいで効果を実感できます。
つまり最低でも3カ月は効果が全く感じられなくとも薬を服用し続けなければいけません。
不安に感じた場合は服用を辞めるのではなく1度かかりつけの病院へ行き、医師に相談してみましょう。
毎日投薬していない
AGAの治療は毎日継続して使用し続けることで効果を発揮します。
医師によって決められた容量は必ず守り、薬を服用し忘れないようにしましょう。
また飲み忘れたからといって、翌日に2倍の薬を服用してはいけません。副作用が表れるリスクが高まるので、その時は医師の判断に従いましょう。
海外輸入の薬を使用している
基本的にAGAの治療薬は病院から処方されることがほとんどですが、海外から個人輸入した薬を使用することも可能です。
海外輸入の薬は安全性を保障されておらず、偽物の薬を購入してしまうこともあり健康被害に遭う場合も。
AGA治療薬を服用しても問題ないかを確認するためにも、一度病院で診察を受けてから処方された薬を使用しましょう。AGA治療薬が合わない人は性欲減退や肝機能障害などの副作用が引き起こされてしまいます。
市販の育毛剤を使っている
「抜け毛や薄毛が気になるからとりあえず育毛剤を使ってみよう」と考える人は少ないですよね。しかし育毛剤の大半はAGAには効果がありません。
というのもAGAを引き起こす主な原因は、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンが増加することにより起こります。
DHTが男性ホルモン受容体と結合することで、脱毛因子が増加し抜け毛や薄毛の原因となるのです。1度AGAが発症すると、症状がどんどん進行して髪の成長期が短縮されて抜けやすくなるという悪循環に陥ります。
そして育毛剤なぜAGAに効果が無いのかというと、DHTを抑制する成分が配合されていないためです。市販されている育毛剤は手頃な価格帯なので購入しやすいのですが、AGAの治療としては効果が期待できません。
生活習慣が乱れていると治療の効果が出にくい
処方された薬をしっかりと使用しているにも関わらず、効果がなかなかでない場合もあります。
その原因は生活習慣の乱れや頭皮環境が悪いことが考えられます。
生活習慣が乱れると頭皮の血流が悪くなったり、ホルモンバランスが乱れたりするため、髪に十分な栄養が行き届かずにAGAの進行を抑えられないこともあるのです。
生活習慣の乱れとして考えられることは以下の通りです。
- 十分な睡眠(22時から2時までは睡眠状態にあることが望ましい)
- 栄養バランスの取れた食事
- 適度な運動
- ドライヤーを当てるときは頭皮から離す
栄養バランスの取れた食事
髪に必要な栄養素として亜鉛・タンパク質・ビタミンが挙げられます。
亜鉛とタンパク質によって髪を生成するケラチンという成分に変換させて、髪の成長を促すことができます。
ビタミンは亜鉛やタンパク質を補助する成分が含まれているため、髪の生成をサポートしてくれます。
以下の食べ物を普段の食事に積極的に取り入れてみましょう。
カキ、豚レバー(亜鉛)
大豆製品、乳製品 肉類、魚介類、卵類(タンパク質)
ごま、ナッツ類、ホウレンソウ(ビタミン)
適度な運動
運動不足は肥満は老化をもたらすだけでなく薄毛にもつながります。
運動不足になると筋肉が凝り固まって血行が悪くなり、頭皮まで十分な栄養が届かなくなります。
髪まで十分に栄養を届かせる運動としておすすめなのは有酸素運動です。
有酸素運動には新陳代謝と心肺機能を高める効果があり、血行促進が見込まれます。
有酸素運動は軽い散歩やストレッチ程度のもので構いません。エレベーターではなく階段を使う、最寄り駅より1駅分多く歩いてみることでも効果はあります。自分が長く続けられそうで気軽に取り組めるものを選びましょう。
AGA治療の効果が1年たっても出ない場合
AGA治療を始めてから効果が出るまでには個人差がありますが、1年以上経っても全く効果がない場合は他の治療法を検討してみましょう。
実は体質的にAGA治療薬が効きにくい可能性もあるので、その場合はこれから紹介する他の方法を試すことになります。
メソセラピー
メソセラピーは皮下注射によって成分を直接体内に入れる医療行為です。
頭皮にプロペシア主成分であるフィナステリドやミノキシジルなどを含んだものを注射器で注入する治療法。
継続して治療を行うことが多く、投薬治療と同様に月に1~2回の通院が必要になります。
HARG療法
メソセラピーの一種であるHARG療法は髪の毛の成長因子を注入し、発毛力を改善させる効果があります。
最近では痛みの軽減を目的とし、針を使わずにパルス電圧を頭皮に送って成分を細胞に浸透させる方法もあります。
自毛植毛
DHTの影響を受けにくい側頭部や後頭部の髪を皮膚ごと移植する方法。移植された毛包が頭皮に生着することで、脱毛部分から自分の髪が新しく生えてきます。
人工毛を移植する方法もありますが、自分の髪の毛を移植するほうが副作用が少ないです。
ただしデメリットとしては傷跡が残ること、高額であること、十分な経験と技術を持つ医師しか行えないことが挙げられます。
かつら
症状が改善されない場合はかつらの使用を勧められることもあります。最近では人毛で出来た見た目や手触りが自然なかつらもあるので自然に装着できます。
頭頂部が薄い人用のかつらや生え際が後退した人用のかつら、全体かつらと呼ばれる頭部全体を覆うタイプのかつらまで種類は様々。
AGA以外の抜け毛のため治療が効かない
AGA以外の抜け毛の場合、薄毛の原因が全く異なるためAGA治療薬を用いても、効果を感じることは少なくなっています。
ここではAGA以外によくある抜け毛の症状を紹介していきます。
円形脱毛症
円形脱毛症はいわゆる「10円ハゲ」と呼ばれる脱毛症で、10円玉サイズに脱毛が起こる症状です。円形脱毛症の原因となる要素はいくつか考えられています。
- 自己免疫疾患
- アトピー性皮膚炎
- ストレス
- 栄養素の不足
- 遺伝
基本は単発型といって10円ハゲくらいのが1つできるのみですが、症状が重いと汎発型(複数箇所脱毛)や全頭型(広い範囲に脱毛)となり、脱毛機関が数年に単位になることもあります。
円形脱毛症の治療は早ければ早いほど、完治までの期間が短くなるので発症したらすぐに医師に相談しましょう。
トリコチロマニア(抜毛症)
子供や女性に多くみられるのがトリコチロマニアと呼ばれる抜毛症。ストレスや不安によって無意識に自分の毛を抜いてしまう症状です。
精神的なストレスが主な原因であるため、薄毛治療を行いつつメンタルケアをして長期的に改善していく治療法になります。
薬剤性脱毛症
薬剤の影響で脱毛が起こることもあります。
抗がん剤によって毛母細胞にダメージが与えられて起こる脱毛が成長期脱毛です。一方血糖降下薬、降圧剤、高脂血症用剤によって起こる脱毛が休止期脱毛です。
これらの脱毛は薬の投薬を中止すれば回復するので問題ありません。
放射線障害性脱毛症
ガン治療のために放射線治療を受けることがあり、毛髪部に放射線が当たると脱毛が起こることがあります。こちらも1年ほどで回復するので問題ありません。
皮膚疾患による脱毛症
皮脂の分泌過多の影響で起こるフケによるって起こる脂漏性脱毛症。
また乾性のフケによる脱毛症を粃糠性脱毛症といいます。
これらの特徴は脱毛やフケ、かゆみなどがあり髪の毛は細くなり光沢が無くなります。
これらも正しく治療をすれば治ることがほとんどです。
ホルモン異常による脱毛症
女性によく脱毛症が出産で女性ホルモンのバランスが乱れ、ホルモンの分泌が低下すると出産後2~3ヶ月で脱毛が起こります。
しかし半年から1年ほど経つと脱毛が回復します。
栄養失調による脱毛症
髪を作る成分である亜鉛やミネラルが極端に不足すると休止期脱毛が起こることがあります。
他にも急なダイエットなどで栄養失調になることでも脱毛は起こります。
牽引性脱毛症
女性に多い脱毛症で、いつも同じ分け目にしたりポニーテールなどで髪を結んでいたりすると常に髪が同じ方向に引っ張られてダメージを負ってしまいます。
日頃から分け目を変える、髪形を変えるなどをすることで対策可能です。
これらの脱毛症はAGAとは無関係なものなのでAGA治療薬のプロペシアなどを投薬しても効果は感じられません。
まずは自分の脱毛症の原因を知ることで、治療法や対策がわかります。
まとめ
最後にAGAの治療薬が効かない場合の原因について解説してきました。
AGAの薬を数か月使っても効果がでないと不安になってしまいますよね。
それでも辛抱強く投薬治療を続けることによって少しずつ効果を発揮することが大半です。
また市販の薬や海外輸入の薬を使っている場合は、自分の症状に合っているか見極めるが難しいため、一度クリニックにて専門医に診てもらうことをおすすめします。
クリニックでは投薬以外の治療法もあるので、自分に合っているものを選ぶと良いでしょう。