男性はなぜ薄毛になるのか? ホルモンとの関係性を調査
日本人男性の4割近くの薄毛や抜け毛が進行
出典:「頭髪に関する悩み度調査」
https://www.reve21.co.jp/files/2015/10/NewsRelease_20151020.pdf
株式会社毛髪クリニックリーブ21が全国のインターネットユーザー(10代から60代以上の各年代層・男女)計4,800名を対象に行ったアンケート調査によると、日本人男性の39.5%が「薄毛」や「脱毛」が進んでいると回答。しかも、2013年の同調査と比較して20代男性の割合は約6%増加しています。
薄毛に悩む方の人は増加すると共に、若年化が進んでいるのです。
知っておきたい薄毛の症状
まず、薄毛の症状について知っていきましょう。
薄毛とは、生えてくる髪の毛が細くなり、抜ける量が増え、髪の毛のボリュームがなくなる状態のことをいいます。薄毛になると、髪のツヤやコシもなくなっていきます。
髪の毛が抜けるのと同時に、髪の質が悪くなっていき、全体的に見た目がスカスカになってしまうんですね。現在、成人男性の4人に1人が薄毛と言われています。これだけ薄毛の人がいることを知ると、安心する一方で、自分はその仲間に入りたくないと思うのではないでしょうか。
風呂上がりに髪の毛が濡れた状態で鏡を見てください。髪の毛が頭皮にくっつき、全体的にまとまって、不自然に地肌が見えているような方は要注意です。
髪の毛の基礎知識
◆髪の毛の役割
髪の毛は、私たちの頭皮や脳を守り、外部から衝撃があった場合には、クッションの役割をしてくれます。また、髪の毛には保温効果があり、冬場の厳しい寒さから頭を守ってくれています。
でも、私たちが日常で一番感じる髪の毛の役割は”見た目”ですよね。見た目が気になるから、髪の毛が少なくなるとイヤになるわけです。
◆一般的な髪の毛の本数
ところで、私たちの髪の毛って何本生えているか知っていますか?
日本人の髪の毛は平均で約10万本生えています。正常な人は1日当たり50~100本の髪の毛が抜けて、また同じくらいの量の髪の毛が生えてきます。それが色々な要因が加わって、生えてくる数より抜ける数の方が多くなると、「薄毛」や「はげ」という状態になってしまうのです。
◆毛根の数は変わらない
実は歳を重ねると毛髪の量は減りますが、毛根の数は変わらないそうです。胎児の段階で遺伝子レベル毛根の数は決められてしまっていると言われています。髪の毛がフサフサな若者も、薄くなってきたおじさんも毛根の数は変わらないということです。薄毛の状態は、「毛根から髪の毛が正常に生えてこなくなった状態」ということを知っておきましょう。
薄毛と男性ホルモンの関係
◆「男性ホルモンが多い=はげる」ではない
体毛とホルモンには切っても切れない関係があります。
「男性ホルモンが増えるとヒゲが濃くなる」「男性ホルモンが多い人は禿げやすい」など、聞いたことがあるのではないでしょうか?
ただ、正確には「男性ホルモンが多い=はげる」という式は成り立たちません。
男性ホルモンの量がピークを迎えるのは、25歳~30歳くらいです。もし、この式が成り立ってしまうと、25歳~30歳の人が一番薄毛になりやすいということになってしまいますからね。
◆薄毛の原因は「ジヒドロテストステロン」
現在、薄毛に直接的に関わってくるとされているのが「ジヒドロテストステロン」というホルモンです。
「ジヒドロテストステロン」は、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が「5αリダクターゼ」という酵素に変換されることで生み出されます。ちょっと難しいですね。
テストステロン × 5αリダクターゼ ⇒ ジヒドロテストステロン(薄毛の原因)
変換されたあとの物質「ジヒドロテストステロン」は活動力が強く、脱毛作用を引き起こす要因とされています。
そして、「テストステロン」を変換させる「5αリダクターゼ」の働きが強いと、必然的に「ジヒドロテストステロン」に変換される量も多くなり、薄毛を招くことになります。「5αリダクターゼ」の分泌量には個人差があり、結びつきやすさも遺伝などの要因で変わってきます。
ですから、男性ホルモンの「テストステロン」が多く、ヒゲや胸毛などの体毛は濃い人でも、「5αリダクターゼ」の分泌量が少なければ、抜け毛の量はそんなに多くないはずです。
男性ホルモンが多ければ禿げるというのは間違ってはいませんが、正解でもないということです。
◆女性ホルモンをむやみに摂取するのは控える
また、女性は禿げにくいという理由で、男性がむやみに女性ホルモンを摂取するのは控えた方が良いです。女性ホルモンを摂取したところで、男性ホルモンが消えるわけでもありませんし、男性にも最初から女性ホルモンは存在しています。体が丸みを帯びてくる、声が高くなるなど、女性的な体に変化することはあるかもしれませんが、毛髪の量が増えるかどうかは保証できません。
髪にとって一番良いのは、男性ホルモンと女性ホルモンがバランス良く分泌されている状態です。